わたし、気付けば溺愛されてました。


「新木さま。お父様に無事にお目覚めされたことをご報告致しました。それではこちらをどうぞ」


体勢を戻すや否や、メイドのなかの一人に大きなタブレットを手渡された。


『雫う~!安心したぞ~!!』


そこには安心仕切った表情で涙目のお父さんが映っていた。


わたしたち四人のお父さんは、海外で貿易関係の仕事に就いている。


お母さんが亡くなったとき、お父さんは仕事をやめて実家から通える職場に転職するという話も出たが、そうなるとわたしたち四人を育てるには経済的に厳しくなる。


そこで、わたしは“司たちはわたしが面倒見る!”とお父さんに宣言し、仕事をそのまま続けるようすすめたのだ。


お父さんが帰ってくるのは三ヶ月に一度だけど、週に一回はテレビ電話で会話をしているから寂しさはあまりない。

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