優しい彼と愛なき結婚
大悟さんは歩夢に独占され、2人で部屋に閉じこもってしまったので先に305号室に帰ってきた。
あっという間の土曜日。
大悟さんと出掛けられて幸せだ。
空になったお弁当箱を上機嫌で洗い、そのままシャワーを浴びた。
テレビをつけながらドライヤーで髪を乾かす。さっきまで賑やかな空間に居たからか、人恋しい。乾かし終わったらまた戻ろうかな。男同士の会話には入れてもらえないだろうけれど。
そんなことを考えていると玄関のドアが開き、やっと大悟さんが戻ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま。シャワー浴びたんだ。髪をちゃんと乾かせよ」
「もう乾かしたよ」
「じゃぁ風邪引かないように布団に入ってな。俺もすぐシャワーを浴びてくるから」
「はい……」
帰りを待ちわびていたはずだけれど、急に緊張してきました。