優しい彼と愛なき結婚
そして夜。
21時頃までは4人でテレビを見ていたが、おばあちゃんが眠るというので新居へ戻ってきた。
2人きりの空気には慣れず、お茶を煎れる名目でキッチンに逃げてきた。
もちろん広い家ではないからカウンターキッチンで丸見えなのだけれど。
「明日どうする?」
「どうしましょう」
しまった。おうむ返しをしてしまった。
せっかく出掛けるのだから、素直に行きたいところを挙げた方が男性側は面倒でないかもしれないのに。
「じゃ2択で。朝寝坊して家でゆっくり過ごすことと、少し遠出してリフレッシュするの、どっちがいい?」
ソファーに座る大悟さんは随分と寛いだ様子で、クッションを抱きながら聞いてきた。
「あ、朝寝坊して出掛けるのでもいっか。行く場所次第だな」
「私はどちらでも」
沸いたお湯でお茶を淹れる。
種類の違う2つのカップ。
「なぁ、それってさ。どういう意味?」
立ち上がった大悟さんは私の手からカップを取り上げるとテーブルまで運んでくれた。
「無理して出掛ける必要はないよ。頑張って俺と一緒に居なくてもいい」
大悟さんのその言葉に、部屋の空気が凍った気がした。
ああ、やってしまった。
これだから私は…。