一途な御曹司と16歳の花嫁
うそ、ホントはずっと抱きしめていて欲しい。


痛いくらいに強い力で私を抱く彼は甘く囁いた。


「まだ行くなよ」


優しくお願いされた気がして、コクンと頷いたら、ようやく下ろしてくれた。


地に足がつくと体を反転させられて正面からギュッと抱きしめられた。


でも私はまだごめんなさいってどうしても言えない。


「イオくん、いいの?ユリナさんが帰っちゃっても。私なんか放っておけばいいのに」


「まだ、そんな可愛いことばっか言うのかよ」


え?今のがどこが可愛いっていうんだろう。


拗ねて八つ当たりしてもう最低なのに。


「可愛いくなんて」


「つむぎは可愛いよ。もっとよく顔を見せて」


言って彼は私の眼鏡と帽子をそっとはずす。


帽子がとられたら長い髪が肩にフワッとかかる。

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