先生、好きって言って。
◆
開店から30分が経過した。
「いらっしゃいませー!」
「ご注文はお決まりですか?」
「ハニートーストとココアは4番テーブルね、こっちのタピオカミルクティーは2つとも1番テーブルで。」
「は、はい!」
えっと、ハニートーストとココアが4番テーブルでタピオカは1番テーブルっと。
いやー、忙しい。
見ての通り、うちのコスプレ喫茶は大盛況。
なんて言ったってうちのクラスにはイケメンと美人が多い。
それよりも、先生がやばい。
さっきまでは普通にジャージだったのに今は執事になっている。
しかも髪の毛も無造作にセットされた上に眼鏡かけてて、鼻血が……。
って、いけないいけない。早く運ばないと。
「お待たせ致しました、ハニートーストとココアでございます……ご主人さまっ。」
「うわ、やば。可愛い〜。」
「写真撮っていい?」
そう、コスプレ喫茶だからちゃんとなりきらないといけない。
ましてやメイドだから“ご主人様”は必ず言わなければならない。
「も、申し訳ございません、ご主人様。写真はお断りしていまして…」
「じゃあ、メイドちゃん。いくら払ったら君が貰える?」
と、私の腰に手を回しグイッと男性の方へ引き寄せられた。
「こ、困りますっ…!」
「俺らいくらでも出すよ?」
や、やだっ
先生っ…!