先生、好きって言って。



グイッ




すると、私は男性とは反対の方向へ引き寄せられた。




この柔軟剤の香り……




『お客様、大変申し訳ございませんが、うちの可愛いメイドを口説くのはやめて頂けませんか?では、ゆっくりお召し上がりください。』




と、先生は私の腰をそっと掴んで裏方へと誘導してくれた。






『はぁ。大丈夫か?』



「あ、はい。何とか大丈夫です。」




それよりも、先生……




カッコよすぎませんか?





『……ん、何。じっとこっち見て。あんま見ないでくれる?』




「すっ、すみません!つい見とれてしまって…。」



『めっちゃ恥ずいんだけど。こういうのした事ねぇし。』



「すごくすごく似合ってます!カッコいいです!あの、一緒に写真撮ってもいいですか?」



『嫌だ。ほら、宣伝まであと20分だろ?それまで働け。』



「えー、私ミスコンがあるからあとで着替えないといけないんです。お願いしますっ」



『……後でな。』



「え、やった!!ありがとうございます!」




『それと、あんまイチャつくんじゃねーぞ。』




へ?イチャつくって誰と?




「先生それどういう事ですか?」




『内緒。』




「えー、先生のケチー。」




私はブツブツ文句言いながらまた接客に戻った。





< 126 / 180 >

この作品をシェア

pagetop