先生、好きって言って。
グイッ
すると、私は男性とは反対の方向へ引き寄せられた。
この柔軟剤の香り……
『お客様、大変申し訳ございませんが、うちの可愛いメイドを口説くのはやめて頂けませんか?では、ゆっくりお召し上がりください。』
と、先生は私の腰をそっと掴んで裏方へと誘導してくれた。
『はぁ。大丈夫か?』
「あ、はい。何とか大丈夫です。」
それよりも、先生……
カッコよすぎませんか?
『……ん、何。じっとこっち見て。あんま見ないでくれる?』
「すっ、すみません!つい見とれてしまって…。」
『めっちゃ恥ずいんだけど。こういうのした事ねぇし。』
「すごくすごく似合ってます!カッコいいです!あの、一緒に写真撮ってもいいですか?」
『嫌だ。ほら、宣伝まであと20分だろ?それまで働け。』
「えー、私ミスコンがあるからあとで着替えないといけないんです。お願いしますっ」
『……後でな。』
「え、やった!!ありがとうございます!」
『それと、あんまイチャつくんじゃねーぞ。』
へ?イチャつくって誰と?
「先生それどういう事ですか?」
『内緒。』
「えー、先生のケチー。」
私はブツブツ文句言いながらまた接客に戻った。