先生、好きって言って。
◆
『で、なんで何も言わずにスペインに行こうとした?』
「そ、それは、言ったら余計に寂しくなるからです。あと先生を諦めるために…」
『は?諦めようとしてたわけ?』
先生は少し怒っているように見える。
「だって、もうこれ以上困らせたくなかったんです!」
『…はぁ、何だよそれ。今まで俺がどれだけ…』
「…ん?なんて言いました?」
『いや、なんでもない。とりあえずもう俺の彼女だから。先生って呼ぶの禁止。』
そ、そんな…!
先生と呼ばずに何と呼べばいいの!
「な、なんとお呼びすれば…?」
『なつ。俺の下の名前なつっていうの。だからそう呼んで。』
は、ハードル高いっ!
「………っな…な、なつ!」