先生、好きって言って。





『ん。よく呼べました。』




ポンポンッと頭を優しく撫でてくれた。




「…あ、ありがとうございます。」





『あーー、何かせっかく付き合ったのにもう離ればなれになるとか嫌だなぁ。』





確かに。



もうあと10分程で行かなければならない。






『俺、絶対会いに行くから。まだいつになるかわかんねぇけどスペインまで行く。』





「そ、そんな!申し訳ないです。」




しかも先生……あ、いや、なつ君は忙しいのに。




「な、なつ君のその気持ちだけで充分です。ありがとうございます。」




『違う。俺が会いに行きたいの。多分勘違いしてると思うけど…』





『俺の方が絶対蘭のこと好きだからな。』





と、耳元で言われた…。






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