聖女の魔力が使えません!~かわりにおいしい手料理ふるまいます~
*
堅牢な石造りの壁に囲まれた、セルティア王国の王城。本日は夜会も予定されているので、使用人たちは休む間もなく動いている。
その廊下を、アーレス・バンフィールドは軍靴の音を響かせながら歩いている。
先ほど、前騎士団長より団長を就任し、肩書としては騎士団長となる。
「陛下! お話がございます!」
「おっと、アーレス。ちゃんと従者を通せよ」
いきなり王の執務室へ乗り込むのは失礼極まりないことだが、百戦錬磨のアーレスを止められる使用人などいない。
それでも真面目な衛兵はちゃんと止めたのだが、ひ弱な若造の力に負ける彼ではない。
衛兵は今、アーレスの腰にしがみつき、引きずられている。
「す、すみません。陛下、私の力が及ばぬばかりに」
「あー。いいよ。アーレスを止めるのは君じゃ無理だ。下がっていいよ」
国王陛下に手ぶりで退出するように言われ、衛兵はホッとしたように頭を下げて出て行った。
扉が閉まったところで、アーレスは遠慮なく怒りをあらわにする。
「陛下。此度の私の移動と聖女の縁談について、お話がございます」
有無を言わせないアーレスの声と態度に、さすがの国王も頬を引くつかせる。
「君、どっちで怒ってるんだい。移動についてかい、縁談についてかい」
堅牢な石造りの壁に囲まれた、セルティア王国の王城。本日は夜会も予定されているので、使用人たちは休む間もなく動いている。
その廊下を、アーレス・バンフィールドは軍靴の音を響かせながら歩いている。
先ほど、前騎士団長より団長を就任し、肩書としては騎士団長となる。
「陛下! お話がございます!」
「おっと、アーレス。ちゃんと従者を通せよ」
いきなり王の執務室へ乗り込むのは失礼極まりないことだが、百戦錬磨のアーレスを止められる使用人などいない。
それでも真面目な衛兵はちゃんと止めたのだが、ひ弱な若造の力に負ける彼ではない。
衛兵は今、アーレスの腰にしがみつき、引きずられている。
「す、すみません。陛下、私の力が及ばぬばかりに」
「あー。いいよ。アーレスを止めるのは君じゃ無理だ。下がっていいよ」
国王陛下に手ぶりで退出するように言われ、衛兵はホッとしたように頭を下げて出て行った。
扉が閉まったところで、アーレスは遠慮なく怒りをあらわにする。
「陛下。此度の私の移動と聖女の縁談について、お話がございます」
有無を言わせないアーレスの声と態度に、さすがの国王も頬を引くつかせる。
「君、どっちで怒ってるんだい。移動についてかい、縁談についてかい」