クローゼット番外編~愛する君への贈り物
「ミシェル…!」

「ジョッシュ…!」

俺たちは、お互いの体を強く抱き締めた。



次の再会の日まで、俺は気が気じゃなかった。
もしかしたら、もうミシェルとは二度と会えないんじゃないか?…そんなことを考えては、恐ろしさに震えた。
それほど、ミシェルは大きく大切な存在だったんだ。
ミシェルと会えない人生なんて考えられなかった。



でも、ミシェルの顔には暗い影が差していた。
なにか、良くないことがあったのであろうことは、すぐにわかった。



「ミシェル…何かあった?」

ミシェルは、口端だけを少し動かした。



「縁談は持って来ないようにしてもらったわ。」

「……そうなんだ。」

彼女のその言葉で、俺は察した。
シュミットさんは、俺たちのことを良くは思っていないのだ、と。



きっと、ミシェルは、ありのままを話したんだと思う。
でも、そのことをシュミットさんは良くは言わなかった。
そこで、取り引きになったんだろう。
縁談はすすめない。
でも、俺とは必要以上に仲良くしないように言われたんだ、きっと。



「ジョッシュ…私、絶対に両親を説得するから…
だから、少しだけ待ってて。
私の気持ちは変わらないから。」

俺はゆっくりと頷いた。
言いたいことはいろいろとあったけど、何を言うのが一番良いことなのかわからなくて…
だから、何も言わなかったんだ。
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