The Last -凶悪-



捜査6課 神野シン
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散々やられっぱなしだったが・・
やっと・・やっと俺達が優位に立った。


「・・・・・・・・・・・・。」


氷室ミライの内偵捜査2日目。


特に奴に変わった様子は・・
尾行が気付かれている様子は無い。

今日も殺気を向けないよう、
努めて冷静に後をつける。


捜査の手が間近に迫っている事をミライは知らない。

このまま一気にカタをつけさせてもらうぞ・・!



「・・こちら神野。」


『はい。』


「・・見えますか?」


『・・Barですか?』


「昨日も通ってた。

朝は真っ直ぐ職場の結婚式場へ。
帰りはここに寄ってから帰宅。

・・どう思いますか?」


『どうもこの事件には節々で“Bar”、“バーテンダー”というキーワードが出てきますね。』


「・・・潜入してみてもいいですか?」


『守りに入っては勝機を逸するかもしれません。ここは大胆に攻めましょう。』


「じゃあ氷室が店を出た後に、
俺も客として行ってみる。」




『あ、ちょっと待って下さい。』


「どうしました?」


『神野くんってお酒飲めないのでは?』


「・・・・・気合いで流し込む。」

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