The Last -凶悪-
『この情報は、
まだ1課に流さないでください。』
「・・・・・・・・・・・・。」
『今の段階では、これは状況から導いたただの推論です。
まだ・・氷室ミライが犯人という確実な証拠を手に出来ていません。』
「確かに・・4人目が出て余計に殺気立っている1課に、
この情報を流すのは得策ではありませんね。」
『あと一歩なんです。
中途半端に取り押さえて、
証拠不十分で釈放になってしまったら、
椎名班長を初めとする被害者とその関係者の方々に顔向け出来ません。』
「・・分かりました。
すぐに内偵捜査に移行してください。」
『はい。既に神野くんが氷室ミライの尾行を開始しました。
確信が持てた段階で家宅捜索の礼状発行を申請します。』
「頼んだぞヒデトシ・・神野・・。」
『・・・・もしもし?』
「・・?・・もしもし?」
『平松刑事部長、
今どちらにお見えですか?』
「・・・部屋にいますが・・?」
『時折ノイズが走っているので、てっきり地下かどこかにいるのかと・・。』
「少しお待ちを・・・・あれ?
・・もうこんなに・・。
・・ヒデ君すみません。いつの間にか充電が僅かになっているので一旦切ります。」
『分かりました。
後ほどメールのご確認もお願いします。』