The Last -凶悪-
氷室 ミライ
********************************************
小さい頃は、泣き虫だった。
泣くのは大体いつも夕方。
保育園で、帰って行く友達に手を振って、
先生と積み木をしたり絵本を読んだりして、
窓の外がいつの間にか真っ暗になっていた事に気付くと、いつも泣いていた。
このまま捨てられてしまうんじゃないか。
そんな不安が胸いっぱいに押し寄せ、
先生に励まされながらもいつも教室の隅で丸まっていた。
「ミライ!!待たせたなぁ。」
「あ~ミライちゃん!
お父さんお迎えきたよ!」
駆けだしていつも真っ先に右足にしがみつく。
その後は、目線を合わせてくれたその胸をドンドンと叩く。
「お・・おぉ。遅くなって悪かったな。
じゃあ帰ろっ!
今日はミライの大好きなコロッケだぞぉ?」
手を繋いで歩いた帰り道。
いつも、その日にあった事をニコニコしながらずっと聞いてくれた。
いつも、アンパンマンの歌を一緒に口ずさんでくれた。
いつも、最後には頭を撫でてくれた。