The Last -凶悪-



  氷室 ミライ

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小さい頃は、泣き虫だった。


泣くのは大体いつも夕方。

保育園で、帰って行く友達に手を振って、
先生と積み木をしたり絵本を読んだりして、

窓の外がいつの間にか真っ暗になっていた事に気付くと、いつも泣いていた。


このまま捨てられてしまうんじゃないか。


そんな不安が胸いっぱいに押し寄せ、

先生に励まされながらもいつも教室の隅で丸まっていた。






「ミライ!!待たせたなぁ。」


「あ~ミライちゃん!
お父さんお迎えきたよ!」





駆けだしていつも真っ先に右足にしがみつく。


その後は、目線を合わせてくれたその胸をドンドンと叩く。


「お・・おぉ。遅くなって悪かったな。

じゃあ帰ろっ!
今日はミライの大好きなコロッケだぞぉ?」


手を繋いで歩いた帰り道。


いつも、その日にあった事をニコニコしながらずっと聞いてくれた。

いつも、アンパンマンの歌を一緒に口ずさんでくれた。


いつも、最後には頭を撫でてくれた。


















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