25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
『2人のことは、彼女にも彼女のご両親にも、まだ話してない。付き合い始めて、まだ日も浅いのに、ウチの両親、別れたばっかりですとは、なかなか言い辛くってさ。わかるだろ?』


「そりゃ、そうかもしれないけど・・・。」


『なぁ、頼むよ。父さんは母さんがイヤじゃなきゃ、全然構わないって言ってるし。』


「別にイヤってことはないけど・・・。」


でも、ね・・・。


「いきなり初対面で、相手の娘さんを騙すのも、気が引けるよ。それに、もしもバレたら、あとで正司が困ることになるんじゃない?」


私は危惧を伝えるけど


『大丈夫だよ。2人が普通にさえ、してくれればバレっこないだろ?それに本当のことは、頃合いを見て、俺からちゃんと伝えるから。』


「・・・。」


『母さんは、大事な息子が、やっと出来た彼女に振られてもいいのかよ。』


なんかお願いと言うより、脅しになってるんですけど。でもまぁ、仕方ないか。


「わかりました。じゃ、そうしよう。」


『ありがとう、助かるよ。じゃ、時間決まったら、また連絡するから。』


「あっ、調理器具とか、もう全部、今の家に持ってっちゃってるから、何のお構いも出来ないよ。」


ふと気付いた私は、慌てて言うけど


『お茶の道具くらい、あるだろ。そんなもんで、充分だよ。せいぜい30分も相手してくれればいいんだから。』


「そうなの?」


『いきなり初対面で、そんなに話、弾まないだろ。それに・・・そちらはその後、いろいろ積もる話もあるだろうし。』


「えっ?」


『とりあえず、一旦夫婦に戻るリハビリ兼ねて、事前に会うのもありかもしれないけど。まぁどっちにしても、そろそろ父さんに、本当のこと言わなきゃ、しょうがないんじゃないの?』


「正司・・・。」


『ほんじゃ、とりあえず日曜よろしく。』


言葉を失ってる私を尻目に、長男はさっさと電話を切った。
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