守る理由。
「…大丈夫?」



『ひえっ』



誰も居ないと思っていたのに、突然澄んだ綺麗な声が聞こえてきて、思わず素っ頓狂な声を出してしまう。



…あのあの、すみません、ほんとに驚いたんですけどどなた様。



なんて思いながら声のした方を向く。

…その人を見た僕は、思わず息を呑んだ。

そこに居たのは、前髪と後ろ髪の先だけ白く、あとは黒く長い髪を下ろしていて…瞳は黒く澄んでいて、白いワンピースを着た…とても可愛らしい女性だった。

…同じ女である僕でさえ息を呑むほどだ、きっと男の人が見たりしたらイチコロだろう。



「何だか、困っているような気がしたけれど…。」



しかも優しいと来た、この人確実にモテる。



なんて意味の分からない確信を一人でしながら、女性を見つめる。

睫毛も長く揃えられていて、顔も小さい…本当に可愛い人だな、と思ってしまう。

< 14 / 96 >

この作品をシェア

pagetop