エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~


 邪魔にならないように、せめてお茶でも入れようとキッチンに向かう。

 まるでモデルルームのような高級なシステムキッチンだったが、まったくと言って使われた形跡がない。

 拓海自身は自炊はめったにしないようで、冷蔵庫にもお酒と飲み物くらいしか入っていなかった。

 しかしコーヒーは飲むらしく、コーヒーメーカーは海外のものをドンッとカウンターに置いていた。

 先日ここに来たときにお土産にした、わかばで挽いてもらったコーヒーを取りだしてセットする。

 ミネラルウォーターを注ぎスイッチを入れ、しばらくするとコーヒーのいい匂いが部屋に漂う。

 すると拓海もそれに気がついたのか、部屋で声を上げた。

「ごめん、ほったらかしで。適当にやってて。マグカップは食器棚な」

 この間きたときにある程度のことは教えてもらったので、日菜子は迷いなく食器棚を開ける。
 するとそこには、この前にはなかったマグカップがあった。白のマグカップで中にオレンジ色のデイジーの絵が描かれている。隣には同じ模様でブルーのカップがあった。

 北欧のデザインのあたたかみがある。

「日菜子の分のカップ買っておいたから、それ使って」

 わざわざ買っておいてくれたのだと思うと、顔が思わずにやけてしまう。

(つき合うってこういうことなんだな……)

 デートをしたり、キスをしたり、体を重ねたり……それもまた恋愛の醍醐味だと思う。けれどそばにいないときも相手のことを考えて、それが楽しくもある。

 そういう時間を過ごせて幸せだと思いながら、日菜子はできたコーヒーをマグカップに淹れて拓海のもとに運んだ。
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