エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~


 拓海の部屋に来るのは三度目。

 実は最初に訪れたときに心底驚いたのだ。駅から近いファミリータイプの低層マンションだ。

 そこで彼はひとり暮らしをしていると言う。どうやら海外赴任をしている親戚が日本での生活拠点として購入したものらしいが、実際は海外ばかりにいてほとんど使われていない。家が傷むといけないからと、拓海が現在ひとりで住んでいるとのことだった。その高級さに驚いたのだ。

 両親に親戚と、なんとグローバルな一族なのだと、日菜子は心のなかで思う。

 駐車場には日菜子でも知っているような高級外車がずらりと並び、初めてのときほど緊張はないものの、やはり彼が生活している空間だと思うとそれなりにドキドキとしてしまう。

 しかし緊張している日菜子をよそに、拓海はさっさと部屋に入っていく。いつもならば玄関入ってすぐから箍が外れたように日菜子を構い倒すというのに、今日は目もくれない。

 それほどまでに今彼の頭の中はデザインでいっぱいなのだ。昨日まではいいアイディアが思い浮かばずに悩んでいた。

 今、荷物を床に放りだしてデスクに向かう彼の顔が少し綻んでいるように見える。

 アイディアが溢れてきて、高揚感が抑えきれないといった様子だ。

 日菜子は一心不乱にペンを走らせる彼を見て、にっこりとほほ笑んだ。

 好きな人の夢中になっている姿を見て、日菜子もまたうれしくなったのだ。
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