エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
「どんぐりの木って何種類もあるの、知ってるか?」

「え、うん」

 今日子供たちが拾っていたどんぐりも、色々な形のものがあった。

「園庭や玄関に植えられる木のほとんどは、シラカシ、コナラ、クヌギ、ウバメガシ、どんぐりの木にするんだ」

 拓海の言葉に今日子供たちが、夢中になってどんぐりを拾っていたのを思い出した。

「遊具や家具もどんぐりの木――ナラなんかを使ったものをいくつか配置して。木がどんなふうに自分たちの生活に生かされているのか、知ってもらいたい」

 拓海の描いた空間は、木の温かみとそれを生かすようにガラスの窓から光がふんだんに降り注ぐ造りになっている。

 ここを笑顔の子供たちが走り回る姿が想像できた。

「いいよ、これ。すごくいい。わたしは前のよりも好き」

 前回のデザインとはまったく違っている。けれど日菜子はこちらの方が好みだった。

「前回は学園全体のイメージに合わせて作ったものだ。けれど本当に大切なのはそこに通う子供たちがどうやって過ごすかということ。なにを感じてどう大きくなっていくのかということだと俺は思うんだ」

 住空間は生活そのものだ。そこで子供たちが成長するための大事な時間を過ごすならばそこを第一に考えるのは大切なことだ。

「向こうからの注文ばかりにとらわれすぎてた。それじゃ誰が設計しても結局同じだと思う。向こうの求めている要素もきっちり取り込んだし、これなら絶対に勝てるきがするんだ」

 拓海はまだデザイン画を見ている日菜子を抱えたまま、寝室に向かう。そしてそのまま彼女を抱えて、ベッドに座った。
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