エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
 日菜子もされるがまま彼の膝の上で、拓海を見つめた。するとほほ笑む拓海が彼女の額に唇を落とす。

「ありがとう、日菜子。今日子供たちとの時間をつくってくれて」

「......うん。なにも思い浮かばなくても気分転換にはなるかと思って」

「いや、今日デイキャンプに参加してなかったら、デザインできてなかったと思う。久々に手応えのある......自分の納得できるデザインができた。子供たちにも感謝だな」

 キャンプの後でずっとデザインをしていた拓海は疲れているに違いない。そうでなくてもここのところ激務が続いていた。

 けれど今の彼は驚くほど、穏やか表情を浮かべている。彼がひとつ山を越えたことを知り日菜子はほっとしてほほ笑みを浮かべた。

「わたし今回、拓海にはなんにもできなくて、ちょっと落ちこんでいたんだけど少しは役にたったかな?」

「そんなこと言うなよ。たしかに今日のキャンプが大きなきっかけになったのは確かだけど、それまではお前にかっこ悪いところを見せたくない一心でやってきたんだ。だから日菜子の存在が俺にはすごくありがたかった」

 拓海は日菜子の髪に指を差し入れて、優しく梳いた。

「ありがとう、日菜子」

「......っ」

 無力だと自分を情けなく思う日が何日も続いていた。

 けれど拓海は日菜子の存在そのものが支えだと言ってくれたのだ。こんなにうれしいことがあるだろうか。

 わずかに瞳をうるませた日菜子の目尻に、拓海が唇でふれた。

 お互い至近距離で見つめ合いどちらからともなく唇を重ねた。何度かついばむようなキスを繰り返す。

 もっと、と言うように拓海が唇をよせてきた。
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