エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
「えぇえええええ!! ど、ど、どういうことですかっ!?」
向かいのテーブルに座っている花は、立ち上がり前のめりになり拓海と日菜子を交互に見ている。
そしてその様子を周りの社員も、なにごとかと注目している。
「ちょ、ちょっと落ち着こうか」
あわてて諭すも興奮した花は、いっこうに言うことをきかない。
「いえ、無理です! いったいどういうことですか!?」
そう言われても日菜子にも説明できない。一番驚いているのは本人なのだから。
しかし騒いでいる女性ふたりとは逆に、拓海と西野はだまったままにらみ合っている。
(なんなの、いったいこの状況)
今までこんなふうに周囲の注目を浴びた経験がない日菜子は、どうしようもなくなってその場でだまった顔を伏せた。
「まあ、そういうことだから」
拓海は短くそう答えると「行くぞ」と行って、日菜子の腕を引いた。
「え?」
顔を上げた日菜子は、拓海を見つめる。外に連れだそうとしてくれていることがわかって、この場から逃れたいために素直に立ち上がる。
「斉藤さん、悪いけどこれ片付けておいてくれる?」
「あの、ええ」
それまで興奮していた花だったけれど、拓海の冷静な態度に気圧されたようでそのまま受け入れた。
「じゃあ、そういうことなんで」
一言西野に残すと、日菜子の手を引いた。日菜子は残された花と西野を一度見て、そのままついて行く。
そんなに広くないはずの食堂なのに、出口までいやに遠く感じた。周りから浴びる視線でいたたまれない思いをしているからだろう。