あやかし神社へようお参りです。②


 三門さんは今朝早くから健一さんと一緒に実家の方へ行っている。朝起きたらラップされた朝ご飯の隣にそうかかれたメモ書きがあった。今日は祈祷の予約もなかったので、帰ってくるのは深夜になるらしい。

 社を開ける準備、お願いします。そうも書かれていた。

 賀茂くんはまた溜息を吐いた。


 「……本部っていうのは都合がいいからそう呼んでいるだけで、正式な名称はない。賀茂家、阿部家、土御門家の上層部が集った団体のこと」

 「えっと、つまり陰陽師の────」


 ぎろりと睨まれて、慌てて口を押えた。


 「────賀茂くんと同じような人たちの集まり、ということ?」


 低い声で「ああ」と頷いた賀茂くん。


 「もういいか」

 「あ、あの、どうして仲が悪いのかだけ聞いてもいい?」


 それは何度目かの溜息だった。


 「あんたが俺につっかかってきた理由と同じだよ。そっちは妖の味方、こっちは人間の味方」


 その時、廊下に予鈴が鳴り響いた。

 賀茂くんは天井を見上げると「もう戻るぞ」とだけ言ってくるりと背を向け歩き出す。遠ざかって行くその背中に慌ててお礼を述べるも、彼は振り返らなかった。


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