あやかし神社へようお参りです。②



 出口に向かいながら、次は社頭の掃除でその次は、とやることを指折りながら思い出していたその時だった。

 私の背中を優しく押すようにふわりと温かい風が吹いた。


 「え……?」


 背中から風が吹き抜けるなんてあるはずがなかった。たった一つの出入口は私の目の前にあって、風が入るならそこからしかない。しかしその扉も今はきっちりと閉ざされている。

 眉根を寄せたその時、空気がどくんと波打った。胸が詰まるような息苦しさを感じる。まるで何かに圧倒されるように、空気が重苦しい。手足の先がしびれる。

 ゆっくりと振り返った私は、踝から脳天まで突き上げるような激しい衝撃を体の中で感じた。


 人がいた。年齢の検討が付かない、中性的な顔立ちをした人だった。その人は着物のような形のゆるりとした白い衣服を身にまとっていた。その人の雰囲気は人でも妖でもない、もっと別の何かであるような気がした。


 先ほどまで私が座っていた場所に腰を下ろして、三方に置いてあったはずの清酒を手酌で飲んでいる。

 ぼんやりと宙を眺めていたが、やがて私の視線に気が付きちらりとこちらを見る。目が合うこと十秒、その人は何もなかったように再び目を反らして酒器を煽る。


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