あやかし神社へようお参りです。②
「だから普段いらっしゃる場所から僕たちのいる地上に御くだりになる際には、大きな災害がおきる」
え、と目を瞬かせる。
「だから、麻ちゃんが見たのはユマツヅミさまではなくて、ユマツヅミさまの魂魄じゃないかな」
「魂魄……」
大輔おじさんがすかさず「魂のことだよ」と付け足した。
私が昨日見たものはユマツヅミさま本人ではなく、ユマツヅミさまの魂魄、つまり魂。頭の中で整理がついて、背筋がぞっとする。
「じゃあ、私が見たのは幽霊……?」
ぶはっと息を吐きだした健一さんの、本日二回目の大爆笑。むっと唇を突き出す。
「幽霊もなにも神さまだぞ! 何だ麻ちゃん、まさかあやかし神社の巫女をしているのに幽霊が怖いのか?」
「こら健一、いじめるな」
畳んだ新聞紙でぱこんと頭を叩けれた健一さん。まだ面白いのか、堪えるように笑っているのが気に入らない。
「伝え方が難しいなあ。表現としては“幽霊”が近しいけど、ユマツヅミさまは神さまだから、幽霊ではないよ」
そう言われてほっと胸を撫でおろす。妖はもうすっかり慣れたけれど、幽霊となると話は別だ。