あやかし神社へようお参りです。②


 六限目の学活の時間を使って、体育祭の種目決めが始まった。黒板に種目名がずらりと書かれていて、出たい種目に名前を書いていくシステムだ。大縄跳びの欄に早々に名前を書いて時間を持てああした私は席に座ってぼうっと外を眺めていた。

 と、その時、隣の席の男の子がぽんと私の机に何かを投げた。四つ折りにされたそのメモを拾って首を傾げる。


 「それ、渡辺から」


 そう言って席を立ちあがったその子は少し迷惑そうに黒板に名前を書きに行った。


 『麻と話したいから席代わって』


 メモの内容は私に宛てたものではなく、たぶん隣の席の男の子にあてたものだろう。

 隣りの席の椅子ががらりと引かれた。


 「もう、詩子。ちょっと迷惑そうだったよ?」

 「へへ、だってみんな席動いてるし」


 首を竦めた詩子にやれやれと笑った。


 「それで、どうしたの?」

 「そうそう! 麻ってまだ部活決めてないよね!」


 詩子は身を乗り出した。


 「まだだよ」

 「一緒の入らない? 郷土史研究部」


 郷土史研究部? と繰り返すと、詩子は大きく頷いた。そんな部活あったかなと首を捻る。


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