あやかし神社へようお参りです。②
「は、入るの!? 郷土史研究部!」
「悪いか?」
「わ、悪くない……けど」
咄嗟に脳裏を過ぎったのは水童先生と篠の顔だった。篠は間違いなく妖狐、妖だ。水童先生は何の妖かは分からないが、たぶん妖で間違いない。
そんな二人がいる郷土史研究部に、妖を祓うことを生業にしている賀茂くんが入って、もしもふたりの正体がばれたりでもしたら────。
考えるだけでも頭が痛くなる。
まずい、非常にまずい。
差し出された入部届を前に固まっていると、賀茂くんは深く息を吐いた。
「妖狐と河童のことなら把握している。把握しているからここに来た」
「なッ……んのこと?」
声が上ずった。背筋を尋常じゃないくらいの冷や汗が流れる。心臓が耳の横に移動したかと思うほど鼓動が煩かった。
「白を切るか。ある程度のものなら、妖がいた場所は匂いで分かるぞ」
なんでも見透かすような目から逃れるように俯いた。ため息を吐いた賀茂くんは、突然私の隣へ歩み寄った。
「な、なに?」
私の言葉は無視してその場にしゃがみ込む。手を伸ばし、その指先で何かを掬い取るように床をなぞった。顔の前まで持ち上げたその指先に、白い粉のようなものが付いている。それが何かを当てる前に、しゅわりと指の上で消えた。