あやかし神社へようお参りです。②


 どこに座ろうか、と炬燵に目を向けると、入ってきた方と反対側の障子がすっと開いた。


 「あら、結守さんのところの巫女さん。こんにちは」


 現れたのは七十くらいのおばあちゃん。暖かそうなちゃんちゃんこを羽織っていた。顔をよく見ると、神社によくお参りに来るおばあちゃんだった。

 詩子のおばあちゃんだったんだ。


 「こ、こんにちは。詩子ちゃんとは友達で、今日はお邪魔しています」


 少し緊張したのかめちゃくちゃな日本語になってしまった。恥ずかしくて俯いていると、おばあちゃんは嬉しそうに「よく来たね」と目を細める。おばあちゃんに促されて炬燵の前に腰を下ろした。


 「巫女さんは、おみかん好きかしら。甘くて美味しいの、良かったらおひとつどうぞ」


 炬燵の上の籠に入っていた蜜柑を手に取ったおばあちゃんは私にそれを差し出した。お礼を言って受け取る。ずっしりと重みがあって色が濃く、鼻を近寄せるとみかんの甘酸っぱい匂いがした。


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