あやかし神社へようお参りです。②
よく見ると、ひな人形たちはいつものように畏まった顔でその場に座っているのではなく、手に持ってた楽器や道具を側に置いて、砕けた座り方をしている。足を延ばしたり組んだり、その場に寝転んだり……寝転んだり?
金魚のように口をパクパクとさせた私。頭の中は真っ白で、言葉が本当に出てこなかった。
「詩子どのは将来、どんな方になるのでしょうな」
「きっと殿方に大層人気のある方になるでしょう」
「そうですわ、御友人もたくさんいらして」
「我々で見守っていきましょう」
「そうですぞ、付喪神の一生はたいそう長いと聞きますからな」
お内裏さまもお雛さまも、五人囃子も三人官女も、皆が女の子を愛おしそうに見つめている。まるで我が子を見守るような温かいまなざしを向けていた。
詩子、付喪神、見えない私、小さな女の子。
その瞬間、全部がつながった。
これは夢、これは思い出、付喪神になった詩子のひな人形の記憶なのだ。
最後に来た「助けて下され」は、このひな人形たちが発した言葉だったのだ。その言葉に影響を受けて、私は彼らの夢を見ている。
そう言うことだったのか、と息を吐いた。確かに女の子の横顔には、今の詩子の面影があった。