あやかし神社へようお参りです。②
三門さんの言葉を思い出す。
────ひな人形は、生まれた女の子の成長を見守って、災厄から守ってくれる。
そう言うことだったのか。彼らは詩子を守っていた。厄や災いを断ち切り、詩子の成長を見守っていたのだ。
何度も目の前の景色が歪み、そして同じような光景が繰り返された。小さな詩子に近付く黒い影を、ひな人形が何度も断ち切る。しかし、次第に最初を余裕の笑みを浮かべていたひな人形たちの顔に、苦痛の色が窺えた。一太刀で打ち祓っていた彼らも、何度かの攻撃の末で退治するようになる。
目の前の景色が目まぐるしく変わる。今よりも少しだけ背が低く、髪の短い詩子がそこにいた。もしかしたら去年くらいの詩子なのかもしれない。
彼女に迫りくる影を見つけた途端、ひな人形たちはまた立ち上がった。
「今年も来たか、馬鹿者め」
「行くぞっ」
ひな壇を飛び出した彼らは、靄に向かって飛び降りる。靄の頭から振り下ろされた刀は、またそれを真っ二つに切り裂くと思われたが、違った。お内裏さまの握る刀は、キン────という小さな音を立て、刃先から真っ二つに折れたのだ。弓矢を背負った右大臣と左大臣のひな人形がすぐさま矢を放った。素早くそれをかわした靄は、畳の上に落ちる詩子の陰にすっと溶け込んだ。