あやかし神社へようお参りです。②


 ハッと顔をあげると、変わらず私は居間にいた。ひな人形の傍で蹲っていたらしい。試しに頬を抓ってみたらとても痛かったので、今度は夢ではないらしい。

 ゆっくりと立ち上がってひな人形の前に立つ。背伸びをしてお内裏さまの腰の刀に手を伸ばした。鞘ごと取ってゆっくりと刀身を引き抜く。真ん中あたりで折れた刀は、夢で見た通りだった。


 「これのせいで、詩子を守れないんだよね……?」


 真っ直ぐと前を見据えるひな人形たちに問いかける。彼らは何も答えなかったが、その瞳は何かを必死に訴えているように思えた。

 とにかくこのことを三門さんに伝えないと。詩子の身に何かあったら、なんて考えるだけでも恐ろしい。


 その時、ふと何か大事なことを忘れているような気がして首を傾げた。そもそも私はさっきまで何をしていたんだっけ。


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