あやかし神社へようお参りです。②


 「あっ、時間っ」


 私はトイレを借りた後、戻るときに客間を覗きさっきの夢を見た。ということは、夢を見ている間に随分と時間が流れているはずだ。

 慌ててお内裏さまの腰に刀を戻し客間を飛び出す。飛び込むように居間へ入ると、詩子のおばあちゃんが驚いたように目を丸くした。


 「詩子、どこにいますか!?」

 「さっき携帯電話を取りに行ったけれど……」

 「……え?」


 記憶をたどると、たしか、私は詩子と同じタイミングで居間を出た。詩子はスマートフォンを取りに行くために自室へ戻っていったはずだ。それじゃあ、私がひな人形と詩子の夢を見ていたのはたった一分か二分だったことになる。

 変だ。今まで妖たちの言葉に影響されて、彼らの記憶を夢で見たことはあるけれど、一分や二分で目が覚めるなんてことはなかった。それにいつもは夜眠りについてから夢を見ていたのに、今回は無理やり見せられたような形だった。彼らの言葉に、それほど強い力を持っていたとは思えない。

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