しあわせ食堂の異世界ご飯4
 トレイに卵焼きとストロガノフを載せて、厨房から店内へ。
 開店当初から現在も席は満席で、お客さんの会計を終えたシャルルが外に並んでいる人に声をかけている。
(今日も大繁盛だ)
 ありがたいことに、アリアがカレーをメニューにしてからしあわせ食堂は大人気。店の外の列が途絶えたことは一度もない。
「マイクさん、ジャンさん、お待たせいたしました」
「待ってましたー!」
「おお、今日も美味そうっすね~!」
 つい先ほど出したカレーはほとんどなくなっていて、ストロガノフと卵焼きを心待ちにしてくれていたようだ。
「……そういえば今日、学園のお知らせが出てましたね。突然で、驚いちゃいました」
 アリアが少しだけ雑談を振ると、ふたりは大きく頷いた。先に口を開いたのはジャンで、誇らしげに笑顔を見せた。
「今日、正式に発表があったみたいっすね。実はうちも、もう少ししたら作業に加わるんす」
「そうだったんですか! かなり大きな学園ですし、工事も大変そうですね」
「親方が張り切ってるっすよ」
 かなり大変だけれど、やり甲斐は十分だとジャンは言う。続けてマイクも、早く作業に取り掛かりたいですと微笑む。
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