しあわせ食堂の異世界ご飯4
「それじゃあ、わしはコロッケを食べながら帰るとするかの。もし紙が必要になるなら、事前に声をかけてくれるかい?」
「はい。そのときはラグウさんに相談しますね」
「楽しみに待ってるよ」
 アリアの笑顔に頷いて、ラグウはコロッケを食べながら帰っていった。

 ***

 どたどたと品のない足音が聞こえて、ライナスは眉間にしわを寄せる。王城内でこんな足音を立てるのは、いったい誰だ――と。
 しかしその答えは、ライナスが一番望んでいないものだった。
 ドンドンドンとドアがノックされるのと同時に、執務室の扉が開いてルシオが飛び込んできた。
 どうやら、品のない足音の犯人は部下のルシオだったようだ。
「慌ただしい、もう少し静かに歩きなさい」
 みっともないと、ライナスは注意をする。
「ああ、すみません。私としたことが、我を失っておりました」
「ルシオが我を失うような大事件が、あったというのか?」
「ええ、ええ! あったんですよ!」
 ライナスの問いかけに、ルシオは大袈裟に返事をする。腕をめいっぱい広げ、その驚きを体で表現している。
「本日、何の日かご存知ですよね?」
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