しあわせ食堂の異世界ご飯4
(クラスに年齢の違う子がいるってことよね? 交流の幅が広がってよさそう)
「子供たちが自由に教育を受けられるのは、いいわね」
 職業の選択肢が広がって、やりたいことを見つけやすくなるだろう。アリアは心の中で事業を開始したリベルトに賞賛を送る。

 王女でありながら街で暮らしている、アリア・エストレーラ。
 皇帝であるリベルトの花嫁候補として、ジェーロにやってきた。
 いろいろあったが、距離を縮めてリベルトと相思相愛にはなったのだが……即位したばかりの皇帝には反対勢力がいるため、落ち着くまで婚約などはしないということになっている。
 そのため、今は縁のあった食堂に住み込みでお世話になっているのだ。
 もちろん王城にもアリアの部屋はあるけれど、ここにいるのは、アリアの前世も少し関わってくる。

 アリアには、日本人の料理人として過ごした記憶がある。
 いわゆる前世の記憶というやつで、この世界で生まれ変わった転生者だ。
 生前は実家の食堂を手伝い、アリアも小さなころから料理が大好きだった。自分の料理で喜んでもらえることが嬉しく、その気持ちは今でも変わっていない。
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