しあわせ食堂の異世界ご飯4
 自分では、とてもではないが思いつかなかっただろうとルシオは言う。
 それからしばらく無言で食べて、ふたりはライスバーガーを食べ終わった。
 ライナスは、残ったライスバーガーの包み紙をじっと見つめる。
「不思議な料理だな。……これから先、こういったものが増えてくるのだろうか」
「そうでしょうね。戦争が終わりましたので、人は武器より衣食住に重きを置きますから」
 自然な流れですねと、ルシオが微笑む。
「食の改善、か。リベルト陛下も、港町で新しい事業を始めていたな」
「ああ……なんでもとてつもなく小さい魚を漁で獲るとか。正直、いったい何を考えているのかわかりかねます」
 あんな小さい魚では、腹の足しにならない。あまり料理に詳しくないルシオには、リベルトが行っている事業の有用性が理解できないでいる。
 とはいえ、やはり人々の関心が向く先は食。
「私も何か、手を打たなければいけないと考えていたが……」
 このままでは、リベルトに遅れを取ってしまう。
 ずっと思案してはいたいのだが……そう簡単に新しいものを思いつくものでもない。ライナスは頭を抱え、悩む。
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