しあわせ食堂の異世界ご飯4
 そう言って、ぽんと、軽くアリアの頭に手を乗せた。別に遠慮する必要はないし、なんなら料理の見返りをもっと要求してもいいくらいだ、と。
「リントさん……」
 料理人への賛辞に、アリアは胸がじんとする。
 優しく自分を見つめてくるリントの瞳に、胸の鼓動がドキドキ加速していく。……のだが、エマの「おやまぁ」という声で我に返った。
「……っ!」
(そうだよ、今はみんなもいるのに……っ!!)
 うっかりときめいてしまった自分が恥ずかしくて、アリアは穴があったら入りたくなる。しかしそんな都合のいい隠れ場所が、あるはずもなく。
 エマは温かい笑顔だが、よく見ると嬉しそうにニヤニヤしていることがわかる。どうやら、アリアとリントの関係がとても微笑ましく思えているようだ。
「うぅぅ、お言葉に甘えて! 四人で出かけてきますね!!」
「はいよ、いってらっしゃい」
 こうなったら場所を移動するしかないと、アリアは赤くなった顔のまましあわせ食堂を飛び出した。すぐにシャルルがいってきますとアリアを追いかけ、残ったリントとローレンツは苦笑する。
「すみません、アリアとシャルルをお借りします」
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