しあわせ食堂の異世界ご飯4
「ごめんなさい、今日はもう終わっちゃったんですよ」
 やってきたのは、常連客のふたりだ。近くで大工の仕事をしていて、お昼になるとよく食べにきてくれる。
「そんな~……。まあ、ハンバーグは人気だからしかたないっすね。俺は、カレーと卵焼きをお願いするっす」
「俺はカレーとストロガノフにします」
「わかりました。それじゃあ、席でお待ちください」
 追加で卵焼きを頼んだのは、二十代後半の大工ジャン。短髪の黒髪で、優しげな猫目。ひょろりと背が高くて、柔らかい口調が親しみやすい。
 ストロガノフと言ったのは、二十代前半の見習い大工のマイク。仕事に一生懸命な青年で、なんでも真面目にこなしている。
 ふたりが席に着いたのを確認して、アリアは厨房へと戻る。
「カミル、カレーふたつとストロガノフひとつ、よろしくね。私は卵焼きを作るから」
「わかった! マイクさんたちだな」
「うん」
 しあわせ食堂では、メインメニューとサイドメニューがそれぞれ二種類ずつの、合計四種類を用意している。
 メインメニューは、『カレー』と『ハンバーグ』。
 サイドメニューは、『ストロガノフ』と『卵焼き』。
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