しあわせ食堂の異世界ご飯5
「あと少し痩せるだけで、アリア様の背中周りがぐっと魅力的になります! 夜会は一ヶ月後ですから、十分に間に合いますわ」
「は、はい……」
力説するデザイナーの勢いに、アリアはうっかり頷いてしまった。
***
王城の庭園で、リズベット――リズは、父親であるライナスの仕事が終わるのを侍女と一緒に待っていた。
庭園は凛と咲き誇る色鮮やかな薔薇と、中央には噴水があって美しい造りになっている。
その景色を見るだけでも楽しくはあるのだけれど、リズは待たされるくらいであればしあわせ食堂へ行きたかったのに……なんて考えてしまう。
リズは庭園をひと通り見たあと、木陰に用意してあるティーテーブルへと腰掛ける。侍女に紅茶を淹れてもらって、ふうとひと息ついた。
「お父さまがわたしを王城に連れてきてくれるなんて、珍しいですね」
「旦那様はここ最近とてもお忙しそうでしたから、少しでもリズベット様とのお時間をとりたいのではないですか?」
侍女は、ライナスがリズのことをとても大切にしているからですと微笑む。だからこそ、こうして一緒に登城することも許しているのだと。
「は、はい……」
力説するデザイナーの勢いに、アリアはうっかり頷いてしまった。
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王城の庭園で、リズベット――リズは、父親であるライナスの仕事が終わるのを侍女と一緒に待っていた。
庭園は凛と咲き誇る色鮮やかな薔薇と、中央には噴水があって美しい造りになっている。
その景色を見るだけでも楽しくはあるのだけれど、リズは待たされるくらいであればしあわせ食堂へ行きたかったのに……なんて考えてしまう。
リズは庭園をひと通り見たあと、木陰に用意してあるティーテーブルへと腰掛ける。侍女に紅茶を淹れてもらって、ふうとひと息ついた。
「お父さまがわたしを王城に連れてきてくれるなんて、珍しいですね」
「旦那様はここ最近とてもお忙しそうでしたから、少しでもリズベット様とのお時間をとりたいのではないですか?」
侍女は、ライナスがリズのことをとても大切にしているからですと微笑む。だからこそ、こうして一緒に登城することも許しているのだと。