しあわせ食堂の異世界ご飯5
 弱火にしてあるけれど、卵に火が通るのは一瞬だ。すぐに取り上げないと、表面がパリパリになってしまう。
(半熟だと美味しいんだよね~)
 焼けた卵をフライパンから滑らせて、お皿のチキンライスの上にかぶせる。

 本日のメニュー、『お母さんの懐かしいオムライス』の完成だ。

 できあがった『オムライス』が載ったお皿を手に持ち、店内にある椅子に座る。早く食べたくて仕方がないのだ。
「カミル、はやく!」
「わかってるって、ほら水!」
 飲み物を受け取り、アリアとカミルは手を合わせてオムライスを食べ始める。
 まずはカミルが卵の部分にスプーンを入れると、外はしっかり焼けているのに中からとろふわの卵が溢れ出た。
「うわ……っ」
 思わず歓喜の声がこぼれて、カミルの表情が自然とにやけていく。
「スクランブルエッグとは違って、これはご飯……チキンライスと一緒に食べるんだよな?」
「うん」
 カミルは自分のスプーンに載ったチキンライスと卵を見て、同時に食べるとどんな味なんだろうと考える。
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