しあわせ食堂の異世界ご飯5
 リントとローレンツも忙しかったけれど、入学式もあったため学園長であるジャロアム伯爵の忙しさはその比ではなかったはずだ。
 入学式が終わり、やっと落ち着けたころかもしれない。
「学園が成功した暁には、なにか褒賞を用意しないといけませんね」
「そうだな……まだ先にはなるだろうが、なにか考えておこう」
 あとは来年以降のために準備をしていくだけなので、時間の余裕は少しできた。
「でも今は、とりあえずアリアの料理が食べたいな」
「そうですね。カレーを食べたら、疲れも吹き飛ぶかもしれませんね」

 ***

 アリアが厨房で料理をしていると、慌てた様子のシャルルがやってきた。その表情はにこにこで、いったいどんないいことがあったのだろうとアリアは考える。
 けれど、その答えを出すより先にシャルルが報告してくれた。
「アリア、リントさんとローレンツさんが来ましたよ! ふたりともカレーです」
「え、本当? すぐに準備するね」
 ふたりが来るのは久しぶりで、ドキリと胸が鳴った。
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