しあわせ食堂の異世界ご飯5
 もしかしたら本当は仕事があるけれど、アリアたちの手前、心配させたくなくて今日は休むとローレンツが言った可能性だってある。
 なので、リントは念のため確認したのだ。
 ローレンツは「本当ですよ」と口にする。
「まあ、今日やっておけば後々楽だろうというものはありますが、別に絶対やらなければいけないわけではありません」
 つまりそれは、仕事を明日以降に回すということだ。今日休めたとしても、その分別の日に負担がかかるのかとリントはため息をつく。
「仕方ないか。……ローレンツにはいつも苦労をかけるな」
「私は別に構いませんよ、リントの騎士なんですから。なんでしたら、もっとこき使っていただいてもいいですよ?」
「馬鹿な冗談を言うな」
 これ以上ローレンツを働かせたら、過労で倒れてしまう。
「お優しいですね。……仕事は少しずつですが落ち着いていますから、すべて片付いたらもっと側近も増やしてください」
「そうだな。でなければ、戦い勝利する前に自滅してしまいそうだ」
「書類に押しつぶされて死ぬのは、騎士として勘弁願いたいですね」
 そう言って、ローレンツは笑う。
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