しあわせ食堂の異世界ご飯5
 校庭には一周三〇〇メートルのトラックがあり、子供たちが鍛錬の授業をしている。まずは体を鍛え、護身術を教えるカリキュラムだ。

「アリアお姉さま、もしかして寝不足ではありませんか?」
「そんなことないよ?」
 会うなりすぐリズにピタリと言い当てられてしまって、アリアは笑顔で誤魔化す。実は化粧でクマを隠しているのだが……どうしてわかったのだろうか。
 今日のことを考えていたら、あまり眠れなかったのだ。
 昨日、リントたちに休むように言った手前、自分が寝不足だとは言いにくいものがある。
「そうですか? 少しだけ疲れているように見えてしまって……」
「心配してくれてありがとう、リズちゃん。学園に来るのが楽しみで、なかなか眠れなかっただけだよ」
「そうだったんですね、わたしもです!」
 実はちょっと恥ずかしくて言い出せなかったのだと、アリアが都合のいい言い訳を口にすると、リズも同意した。
「学園でどんな授業をしているのか、見るのが楽しみです!」
 にこにこ顔のリズに、アリアは感心する。
「リズちゃんは勉強が好き?」
「う……」
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