執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


 執務室を出てフロアに向かっていると、「あ、広瀬さん」と声をかけられた。後輩の谷村くんだ。

「これから外回り?」

 バッグを持った彼にたずねると、谷村くんは「はい」とうなずく。

「そうだ。今度広瀬さんの地区の過去の資料を見せてもらってもいいですか?」
「いいよ」

 そんな会話をしながら並んで廊下を歩いていると、今日聞いた店舗からの彼の評判を思い出した。

「谷村くん、最近どう? 店舗のスタッフとちゃんとコミュニケーションとれてる?」
「大丈夫ですよ。俺はまだ若いけど、年上の店長になめられないようにビシッとやってます」

 自信満々の返答に、私は「うーん」と渋い顔をする。

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