執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
唇が離れゆっくりと目を開けると、雅文はなにかを葛藤するようなけわしい表情をしていた。
どうしたんだろうと驚いていると、彼はため息をついてくしゃりと前髪をかきあげた。
「一回で我慢するって言ったのは自分なのに、こんなんじゃ全然たりない」
ため息交じりにつぶやかれ、その色っぽさにくらくらする。
「でも、仕事に戻らないと」
私ももっとキスしたい。ぎゅっと抱きしめてもらいたい。そう思ったけれど、必死に理性をふるいたたせる。
「だな」
私の言葉にうなずいて、雅文は切り替えるように大きく息を吐き出した。私がほっとしたような残念なような気持ちでいると、雅文は身を屈め耳元に唇をよせた。
「なぁ、広瀬。今日仕事が終わったら、俺の家に連れて帰ってもいい?」
彼の家に行ってなにをするのか。恋愛経験ゼロとはいえもういい大人だから、ちゃんとわかる。
想像するだけで頭が爆発しそうなくらいドキドキしてきた。