執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
そして、付き合う前にまどかとした会話もひっかかっていた。
ふたりででかけたときに話の流れで『もし俺が御曹司だったら、こうやって親しくなれなかった?』とたずねると彼女は迷いなくうなずいた。
俺が社長の孫だと知ったらまどかは離れていくかもしれない。
その不安から真実を打ち明けられずにいた。そんな優柔不断な俺に天罰がくだるように、ある日まどかから別れを切り出された。
入社して三年。
INO’S COFFEEがアメリカ進出することになった。
今まで身分を伏せ一社員として働きながら積み上げてきた努力と実績が認められ、俺がその責任者に抜擢されたのだ。
それと同時に正式に会社の後継者として公表すると祖父から告げられた。