執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


 高校時代、女子たちに一方的に言い寄られてもまったく心が揺れなかった自分は、恋愛には不向きな人間なんだろうと思っていたのに、気付けばあっけなく恋に落ちていた。

 二十二歳を超えてはじめての恋をして、しかも相手は超がつくくらい鈍感だった。
 俺がさりげなくアピールしてもまどかには少しも伝わらなくてへこんだり、ほかの男が彼女に声をかけているのを見て嫉妬して牽制したり。

 そんな情けないことを繰り返して、思いが通じたときは泣きたくなるほどうれしかった。

 まどかと恋人になれて、楽しくて幸せで。だけど、ひとつだけ不安があった。

 それは、俺が社長の孫だという隠し事。

 祖父から会社では伏せるようにと言われてはいたけれど、まどかは恋人なんだから正直に話せばいい。そう思った。

 だけどなかなか言い出せなかったのは、高校時代俺が御曹司だと知ったとたん周囲の態度が一変したときのショックが忘れられなかったから。


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