執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「あ、まどか! ごめんね!」

 私と雅文の存在に気付いた朋美が、慌てて瞬くんの胸を押し返す。

「ううん。誤解がとけてよかったよ」

 ふたりがちゃんとお互いを思いあっていてほっとした。これで朋美の妊娠を心から喜べる。

「じゃあ、俺たちはそろそろ帰るか」

 そう言った雅文にうなずいて立ち上がった。
 玄関に向かおうとすると、朋美に腕をとられ耳打ちされた。

「元カレの雅文さん。まどかはひどい男だって言ってたけど、誠実そうないい人じゃない」

 そう言われ、反射的に顔をしかめ小声で抗議する。

「そんなことないよ。私は雅文に騙されて……」。
「そのこと、ちゃんと話し合ったの? ただなにか誤解しているだけじゃないの?」
「それは……」
「まどかは意地を張ってるけど、本当は雅文さんが好きなんでしょ? 彼を信用して素直になってみてもいいんじゃない?」

 諭すようにそう言われ、私は口をつぐんだ。



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