執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


 顔を輝かせた私を見て、朋美と瞬くんはくすくすと笑った。

「まどかは本当に、仕事が好きだよね」

 そう言われ、私は髪を耳にかけながら目をふせる。

「だって、私はなんの取柄もないし恋人もいないし趣味もないし、仕事を頑張るくらいしか能がないから」
「そんなことないよ。まどかは可愛いしすごく気が利いて誰にでも分け隔てなく優しくて、とっても素敵な女性だと思うよ」

 学生時代からの友人である朋美に手放しでほめられて、照れくさくて頬が熱くなる。
 赤くなった頬を誤魔化すようにうつむきながら「ありがとう」とお礼を言うと、朋美はにっこりと笑った。

「俺もまどかさんは優しいと思いますよ。なぜか俺にだけはいつも容赦ないけど」

 朋美の横でそう言った瞬くんには、あきれながら反論する。

「それは瞬くんがいつも浮気をして朋美をないがしろにするからでしょう?」
「えー? 俺、朋美ちゃんのこと、ないがしろになんてしてませんよ?」
「浮気は否定しないんだ?」
「どこからが浮気かっていう定義は、人それぞれっすからね」

 いけしゃあしゃあと持論を展開する瞬くんに、私は鼻にしわを寄せて険しい顔をする。

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