執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

 その表情を見て、心がざわざわと落ち着かなくなる。
 なんの根拠もないけれど、田端くんはなにか悪いことを考えている気がする。
 そんな嫌な予感が胸をよぎる。

「私、もう仕事に戻るね」
「わかった。じゃあな」

 足早にその場を立ち去る私のことを、田端くんはずっと眺めていた。




 翌週、昼休憩の時間。

 ひと気のないフロアで自分のデスクに座り、パソコンで近隣の店舗の売り上げ推移をながめながらサンドイッチをかじっていると、短くスマホが震えた。
 画面を見れば『今日予定がなかったら、仕事のあとに一緒に食事に行こう』という雅文からの誘いだった。

< 227 / 283 >

この作品をシェア

pagetop