執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
不安な気持ちで帰る支度をして商業施設の出口を抜けると、そこに一台の車が止まっていた。
イタリア製の派手なスポーツカー。
案の定運転席には田端くんが座っていて、いかにも彼らしいチョイスの車だなと思いながら近づいた。
私に気付いた田端くんは窓を開け「乗れよ」とあごをしゃくった。
車の中で田端くんとふたりきりになるなんて嫌だ。それに、どこに連れていかれるかもわからないし。
そう思って私は首を横に振る。
「話があるなら、近くのお店にでも入ろう」
「めんどくさいから、車の中でいいだろ」
不機嫌な声で言われたけれど私がそのまま動かずにいると、田端くんは大きなため息をついた。
「広瀬ってほんと図太いよな。本社を追い出されて店舗に行かされて、落ち込んでるだろうなと思って見に来てみたら、へらへら楽しそうに笑ってて。むかつく」
「本社を追い出されてって、誰のせいだと思ってるの?」
この突然の異動は、田端くんがなんの根拠もなく私を情報漏洩の犯人にしたてあげたからなのに。