執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


「また瞬くんが浮気したって愚痴ってて、何回浮気をしても謝れば許してもらえると思ってるんだって。結局ちっとも反省してないんだって、文句を言ってた」

瞬くんに何度浮気をされても結局流されて許してしまう朋美をそばで見ているとなんだか歯がゆくて、心の中のもやもやをはらすためにやけ酒を飲みながら店員さんに愚痴っていたのだ。

「わー。俺の悪口を肴に酒を飲むなんて、まどかさんひどい」
「ひどいのは浮気をする瞬くんでしょう?」
「うう。ド正論すぎて言い返せない」

 両手で顔を覆いしくしくと泣くふりをする瞬くんにため息をつく。

 まぁ、この無邪気さが憎めないという朋美の気持ちもほんの少しだけわかるけれど。

「朋美もいいかげん懲りて別れたらいいのに」

 なんて私が冗談交じりに言うと、「本当だよね」と朋美も笑った。

「でももう絶対に浮気はしないって言ってくれたから、信じることにしたんだ。次に浮気したら今度こそ許さないって約束したの」

「ねー」と顔を見合わせて笑いあう朋美と瞬くん。

 一体その約束は何回目なんだろう。そうあきれながらも、幸せそうなふたりをうらやましく感じてしまう。

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